捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「紗耶香って本当にいろいろな顔があるな」
「そうですか?」
クスクスと笑いながら、泊るホテルの最上階のバーで私たちはまだお酒を飲んでいた。
食事をした後、ホテルに戻ってきた私達だったが、楽しそうにしていた私に常務はもう少し飲むかとバーに連れてきてくれた。
きっといつもなら確実に断わっていただろうが、久しぶりのお酒で気が緩んでいた私は、ただ誘われた嬉しさで常務に着いてきてしまった。雰囲気と飲みなれないお酒は私に正常な判断を鈍らせるのには十分だった。
しかしまるで本当に常務に女性として見られているんじゃないかと勘違いしそうになるほど、甘い笑みで優しい笑顔で私を見てくれる。
恋愛偏差値の低い私が、誤解をしても仕方がないと思う。そんな風に思わせる常務は本当にずるい。そんな恨めしい気持ちと、嬉しい気持ちが入り混じりつい口から不満が漏れてしまう。