捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「祥吾さんは本当に嫌味なほど女性に慣れてるんですね」
「なんだよそれ」
私はカウンター席に座ってまるで雑誌のように、丸い氷の入ったグラスを傾ける常務を見た。

「こんな私でも女扱いできちゃうなんて」

「こんなとか言うなよ。紗耶香はかわいいよ」
どういったら女の人が喜ぶかを心得ている返事に、私は何も言えなくなってしまう。
この人にとっては一種のゲームなのかもしれない。気を持たせて相手が本気になるまでの。
そんなことを思いながらジッと見ると、フワリと唇が温かくなる。

「え?」
つい口を出た私の言葉に、常務は面白そうな表情を浮かべる。
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