捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「別にただそういう気分だったんですよ」
「へえ……」
少し驚いたように言った常務だったが、その後はもう何も考えられなくなった。
触れられる手が熱くて、塞がれる唇からただ止めようのない嬌声が部屋に響く。
「紗耶香……かわいい」
そんな優しい笑顔で、いつも他の女の人を抱いていると思ったら、私は涙が零れ落ちる。
しかしこの人は非情な人だ。
『結婚も子供も俺には必要ない』別れる時に女性に電話で言っていたのを聞いたことがある。
私は一番好きになってはいけない人を好きになってしまった。そして自らこの甘い沼に足を踏み入れてしまったのかもしれない。