捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
会社から数十分のタワーマンション、初めてみたその建物に私は改めて住む世界が違う事を見せつけられた気がした。
一般家庭に育ち、何不自由してこなかった私だったが、世界に誇る東和グループの御曹司というのは、こんなにも違うのだと初めて気づく。
「おかえりなさいませ」
まるでホテルのように颯爽とスタッフの男性が現れて助手席のドアが開けられる。
「紗耶香降りて」
ホテルでもないのにバレーサービスがあるのかと、唖然としつつも開けられたドアに慌てて私は車を降りる。
この雰囲気だけで、もはや別世界で場違いな気がしてしまう。
「お願いします」
常務は慣れた手つきでスタッフの男性に鍵を渡すと、私の側に来て当たり前のように私の腰に手を回す。
ホテルのロビーのようなエントランスには、にこやかに微笑む綺麗なコンシェルジュの女性。私を見ても全く表情を変えることなく微笑むのはプロの仕事だろう。
徹底したセキュリティーを抜けると、ようやくエレベーターに乗り込んだ。