捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
「そっか。ならいいけど。てっきりできちゃったとか言われるかと思ったわ。紗耶香に限ってそんなことあるはずないか」
クスリと笑いながら言われたセリフだったが、私は唖然としてしまう。そんな可能性一ミリも考えたことがなかった。結婚も子供も興味がないと言っているだけあって、祥吾さんの避妊はいつも完ぺきだった。そんな可能性はゼロのはずだ。
でも……。
私は頭の中で前回の生理がいつだったかを思い出す。元々そんなに順調じゃない私はあまり気にしたことがなかったが、当に一カ月以上は前だ。
まさかという気持ちが頭をよぎり、冷や汗が流れ落ちるのを感じたとき、結城さんの言葉にさらにドキッとする。
「紗耶香なら聞いてる? 常務が婚約したっていう噂」