捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
もし、万が一妊娠していたらどうする?
自分自身に問いかけながら、変化のないお腹に手をおいて考えるも、もちろん答えなど出るわけもない。意を決してトイレに入ると検査をする。
「嘘」
時間をそんなに待たずくっきりと現れたラインに呆然としつつ、へなへなとその場に座り込んで壁を見つめていた。
どれくらいそうしていたのだろう。なぜ今?
お役御免と言われたも同然の今、どうして妊娠してしまったのだろう。
でも、このことを伝えないわけにはいかない。きちんと話をしなければ。
そう思い、私はトイレを出るとスマホを手にする。メッセージで済ませられる内容でもないし、一人で動揺をしていた私は祥吾さんに電話をかける。しかしコール音はするものの、一向につながらない。
仕事も忙しそうだったし、折り返してくれる。そう思っていた私の願いはむなしく、その夜電話が鳴ることはなかった。