捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました
翌週、出勤をするとなぜか少しざわついている気がしつつも、私は秘書課に足を踏み入れた。

「あっ、紗耶香」
結城さんが私を見るなり、心配そうに小走りにやってくる。

「おはようございます。どうしたんですか?」
意味が分からない私に、結城さんは表情をゆがめたまま口にする。

「まだ見てないのよね」

「え?」

「金曜の夜に、緊急で辞令がでていたのよ」
緊急辞令? 週末はそれどころではなく会社のパソコンを開いていない。そしてみんなの視線からその対象が自分だとわかった。

「私ってことですか?」

「ええ」
結城さんも意味が分からないといった表情で、うつむいてしまう。
< 58 / 251 >

この作品をシェア

pagetop