捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「付き合っていたのか?」
専務の言葉に、私は悲し気な表情をしたのだろう。小さく首を振ると専務がかなり大きなため息を付いた。
「まあ、あの東和社長だもんな。でも立花は本気だったから関係をもったんだよな」
「はい」
その事実に泣きたくなりながら答えた私に、専務は鏡花さんが置いてくれたお茶に手を伸ばす。

「お子さんはいくつ?」

「3歳になります。瑠偉って男の子です」
瑠偉の話題になり、私は少し笑顔が浮かんだのだろう。可愛い可愛い私の大切な一人息子。

「冷たいだの、男遊びをしているだの色々噂があるけど、どれも本当じゃなかったんだな。早く帰るのも息子さんの為だったのか」

「はい。両親と同居しているので面倒はみてもらっているんですが、早く会いたくて」
きっと私は母親の顔をしていたのだろう。専務が柔らかく笑ってくれる。
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