捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました


その翌週、本社の大会議室で数十人規模の打ち合わせが行われた。私達の会社からも、東和からも各担当者が出席していた。
もちろん専務も祥吾さんも出席だ。この間の件をお互い顔に出す様なことはもちろんないはずだし、私と専務のことを仮に疑っていたとしても、祥吾さんには関係ないだろう。
様々な意見や調整が行われるのを、私はまとめていく。対角線上に座る祥吾さんがいやで屋でも目に入るが、あの頃よりさらにカリスマ性が身についた気がする。トップとして部下をまとめ、そして交渉する姿はさすがとしか言いようがなかった。

たくさんの数の経営者を見てきたが、きっとこの五年努力をし、充実した日々があったのだろう。
二時間ほどで会議は終了し、私たちはバラバラと席を立つ。

「立花、各所の手配を頼む。俺は副社長のところに行ってくる」
パソコンをまだ打っていた私に、専務が声を掛ける。

「わかりました」
小さく頷き、メール画面を開いてしばらくすると、背後に気配を感じる。
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