捨てられママのはずが、御曹司の溺愛包囲で娶られました

「紗耶香さんとすれ違いがあったとはいえ、一人で出産をさせてしまったことです。しかし、私も瑠偉がお腹にいたことを知らずに今日までおりました」
神妙な面持ちで話しながら祥吾さんは瑠偉に視線を向ける。

「紗耶香さんと仕事で再会し、もう一度やり直したい、その話をしに会いにきて瑠偉のことを知りました。お怒りはごもっともだと思います。でも」
そこで祥吾さんは私にこれでもかというほど笑顔を浮かべた。
この笑顔は絶対に嘘だ。そう確信する。ここ一番の商談の時などに見せるその表情は私にも覚えがある。


「紗耶香さんと結婚をお許しいただきたいです」
黙って聞いていた父が、驚いたように目を見開く。それは私も同じだ。
< 93 / 251 >

この作品をシェア

pagetop