嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
 なぜわかったのだろう。美琴は驚きながら頷いた。

「はい。秋月美琴と申します。丸さんのところに羽織袴をお届けに参りました」
「あきづきの娘か」
「そうです。でもどうして?」

 美琴はそう尋ねてみた。すると彼は少し目を細めて美琴を見た。

「伽羅の香。君はあきづきの手紙と同じ香りをまとっている」

 伽羅の香は勝司が好きで、いつも家はその香りに満ちている。知らぬうちに美琴の服や髪にもうつっていたのかも知れない。

「手紙、読んでくださってるんですね。もしかして、礼さんのお弟子さんですか? いつもご贔屓に
してくださってありがとうございます!礼さんにもよろしくお伝えください」
「あぁ」

 彼はふっと微笑んでそう言った。

「それじゃ、私はこれで。助けてくれて本当にありがとうございました」

 御堂家の後にも何件かお客様のところへ行く約束があった。それらをすべて終えて、あきづきの店に戻ったのは夕方6時頃だった。

「今日のお夕飯はどうしようかしら。サバがあるからみそ煮かなぁ」















 

 

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