嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
 彼の指摘通り、美琴の膝には血が滲んでいたが、そんなことはどうでもよかった。

「全然大丈夫です、このくらい。向こうが折れるまでここに居座るつもりなので私のことは気にせず
行ってください」

 美琴はきっぱりとそう言ったが、彼はそれを無視して美琴を抱きあげた。

「なにするんですか? おろしてください」
「これ以上ここでわめいていても、警察を呼ばれるだけだ」
「余計なお世話です! ほっといてくださいよ」

 美琴は暴れたが、彼はびくともしない。無言のまま美琴を車に乗せると、運転手に短く告げた。

「屋敷に戻る」

 美琴を乗せた車は御堂家のお屋敷についた。彼は美琴を抱きかかえたまま母屋へと入っていく。
丸代のいる離れにした入ったことがなかった美琴はその豪華さに圧倒された。外観は観光地で見る大名屋敷のような純和風の建物なのだが、内装はほどよく絵和洋折衷で大正浪漫な趣もある。

「礼さん! 予定よりお早いお帰りで。って、美琴ちゃん?」
「ま、丸さん。え……礼さんって、この人が?」

 帰宅した主を出迎えに来た丸の言葉で、初めて美琴は自分を抱えている人物が御堂流次期家元、御堂礼その人あることを知った。

「丸。救急箱を持ってきてくれ」




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