嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
「醜悪な中身って……なんのお話かしら?」
「もちろんあなたのことです。申し訳ないが、レッスンは今日限りとさせてもらいます。御堂流は品性も大切にしていますから。あなたはふさわしくない」
「な、なんのことかしら。私にはさっぱり」

 礼はがたんと音を立てて椅子から立ち上がると、軽蔑の目でまりえを見下ろした。

「くだらない嘘で俺の婚約者を貶めるような人間は一刻も早く出て行ってくれ」
「わ、私を誰だと思ってるの。篠宮まりえよ。こんな態度を取って……絶対に許さないから」

 まりえは激高して、バタバタと部屋を出ていった。

「ずっとこんな嫌がらせをされていたのか?」

 礼はちらりと美琴を見ながら言う。

「いえ、その……」
「悪かった。あんな女を屋敷に招くべきじゃなかった」
「礼さんに謝ってもらうことじゃないです。それより、どうしてまりえさんが嘘をついてるってわかったんですか?」

 あの状況なら、まりえを信じて美琴が疑われても仕方なかったはず。
 礼はゆっくりと美琴に近づくと、ポンポンと頭を優しく撫でた。

「着物オタクの君が着物にお茶をかけるはずがない。君が犯人なら、彼女が着物を脱いでから仕掛けたはずだ」
「あぁ! そうですね、あの訪問着きちんと対処しないとシミになっちゃう。せっかくの総絞りが……」
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