嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
「君にばかり負担をかけるな。なにか少しでもかわってあげられたらいいのに。無力な自分が情けない」

 礼は心底悔しそうに、そうこぼした。

(本当に優しい人だな。こんなに優しいパパで君は幸せ者だね)

 まだ性別もわからない我が子に美琴は心の中で話しかけた。

「心配しないでください。色々調べたところによると、私のつわりなんて軽いほうみたいなんで!それより、まりえさんはその後大丈夫でしょうか?」

 怒って帰ってしまったあの日以来、彼女が御堂家に来たという話は聞かない。篠宮家との関係が悪くなったりしていないか、美琴はずっと気になっていた。

「さぁ。もう来ないんじゃないか」

 礼はさして興味なさそうにそう言った。その無頓着さに、美琴のほうが心配になってしまう。

「でも、御堂家と篠宮家には深い縁があるんですよね?」
「家としてはな。俺個人は彼女になんの興味も関心もないし、どうでもいい」

 礼はばっさりと切り捨てる。美琴は少しだけまりえに同情してしまった。
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