嫁入り前の懐妊契約~極上御曹司に子作りを命じられて~
 礼は篠宮家と御堂家の関係について美琴にもわかりやすく教えてくれた。

「簡単に言うと、篠宮は御堂流のパトロンのような存在だったんだ」
「えぇ! じゃあ、すごく大切な相手じゃないですか。まりえさんにあんな態度を取って大丈夫なんですか」
「といっても、うちが一方的に施しを受けていたわけじゃない。篠宮は旧財閥系の家柄のなかでは成り上がりで、歴史がないんだ」

 といっても、もちろんそのへんの一般家庭と比べれば由緒正しい家柄ではある。あくまでも上流階級のなかで比較すると、成金扱いされてしまうということらしい。

「篠宮はうちを支援することで箔をつけたかったんだな」
「なるほど。庶民にはわからない世界です」

 美琴が感心していると、礼はくすりと笑った。

「今はもう、うちを支援してくれる団体は国内外にいくらでもいるし、篠宮は押しも押されぬ大企業に成長し成金だと馬鹿にされることもない。お互いにべったり依存する必要はなくなってる」

 だから心配いらないと、礼は言いたいようだ。

「そうなんですね。なら、安心しました」
「それをずっと気にしていたのか? このところ元気がなかったから」

 礼は心配そうに美琴の顔をのぞきこんだ。
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