寄り添う花のように私はあなたの側にいたい
「僕は、25だよ。」

「……本当に、結婚なさらないで、いいんですか?」

「言ったろ。子供はいつか、小花が産んでくれればいいし。跡継ぎさえできれば、何も言わなくなるよ。父上は。」

お父様を欺いてまで、結婚したくない理由って何なのだろう。

私は、それがすごく気になった。


「なぜそんなにも、結婚を拒むのですか?」

「気になる?」

「はい。」

私はまたバーボンを、コップに注いだ。

「……小花だから、話そうか。僕にはね、母がいない。小さい頃、自殺したんだ。」

「えっ?」

「原因は、父の浮気だ。何人も妾を囲っていてね。その妾達も、母を邪魔扱いしていた。結婚していなければ、母は自殺しなくて済んだんだ。」

鼻の奥がツーンとする。

泣きそうになった。

そんな辛い過去を背負っていたなんて。


「でも、私も妾です。私を囲う事はいいんですか。」

すると保さんは、私の頭をぽんぽん叩いた。

「小花は、いいんだ。僕のお気に入りだからね。」


その夜は、保さんと一緒に寝た。

私の事は抱かずに、ただ横になって。

私はずっと、保さんの寝息を聞いていた。
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