愛され王女は王の道をゆく
何がどうなって、そんな噂が流れてしまったのか、どうやって誤解を解こうかと考えるが、アナスタシアのあの力を隠したまま説明するのは難しい。

結局、あの王女に一つ乗せられてしまったのかも知れない。


「――とか、考えてるんでしょうけど、いつまでそうやってうずくまってるの?」


 なんとなく、途中から気配には気付いていたものの、突っ込まずにはいられない。
 例えそれが不敬罪だったとしてもだ。


「何故、王女殿下がここにいる!
 また、魔術か? そうだよな!? 一体、何がしたいんだ!」

「貴方の素が見たかっただけよ。まぁ、目的はもう達成されたけど」


 そう言うアナスタシアは、リィンの部屋の椅子に腰掛け、優雅に紅茶を楽しんでいた。

 どうやら、幻術か何かで無人に見せかけて、実はリィンが戻る前からここで待っていたらしい。

 これはとんでもないお姫様に目を付けられたと、含みのある笑顔を向けてくるアナスタシアに、リィンは再び頭を抱えるのだった。
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