愛され王女は王の道をゆく
「昨日の謁見なんか傑作でしたね。
あの馬鹿な貴族たちの驚く顔と言ったら!
未だに思い出すだけで、自然と笑いがこみ上げてきますよ」
「ほどほどにしておきなさい。
彼らは多分、何かしらの報復をしてくるでしょうしね」
とは言うアナスタシアだが、兄二人に関しては色々と思うところはある。
王子王女の父たる国王が、アナスタシアを次期国王に指名した時、あろうことか、継承争いをしていたはずの二人が、手のひらを返したかのように国王を称賛し始めたのだ。
まるで二人とも、アナスタシア以上に国王に相応しい者などいないとでも言いた気に、アナスタシアを褒めちぎり始めたのである。
そこにレオナルドも加わり、アナスタシアは羞恥に顔を赤らめ、王子二人を支持していた貴族たちは、あまりの出来事に呆然とする始末。
(あれは本当にカオスだったわね……)
少し、兄たちを支持してくれていた貴族は、気の毒だと思わなくもないが、実際には最初からアナスタシアを支持していた貴族もいた。
大局を見誤った結果――と、言われてしまっても仕方がないのかも知れない。
「良き王とは腐った貴族から見て、ただの害悪でしかありませんからね。
報復は勿論あるでしょうが、しばらくは大丈夫でしょう」
「あら、どうして?」
「それは、姉上がこう呼ばれているからですよ――“飾り姫”とね」
あの馬鹿な貴族たちの驚く顔と言ったら!
未だに思い出すだけで、自然と笑いがこみ上げてきますよ」
「ほどほどにしておきなさい。
彼らは多分、何かしらの報復をしてくるでしょうしね」
とは言うアナスタシアだが、兄二人に関しては色々と思うところはある。
王子王女の父たる国王が、アナスタシアを次期国王に指名した時、あろうことか、継承争いをしていたはずの二人が、手のひらを返したかのように国王を称賛し始めたのだ。
まるで二人とも、アナスタシア以上に国王に相応しい者などいないとでも言いた気に、アナスタシアを褒めちぎり始めたのである。
そこにレオナルドも加わり、アナスタシアは羞恥に顔を赤らめ、王子二人を支持していた貴族たちは、あまりの出来事に呆然とする始末。
(あれは本当にカオスだったわね……)
少し、兄たちを支持してくれていた貴族は、気の毒だと思わなくもないが、実際には最初からアナスタシアを支持していた貴族もいた。
大局を見誤った結果――と、言われてしまっても仕方がないのかも知れない。
「良き王とは腐った貴族から見て、ただの害悪でしかありませんからね。
報復は勿論あるでしょうが、しばらくは大丈夫でしょう」
「あら、どうして?」
「それは、姉上がこう呼ばれているからですよ――“飾り姫”とね」