花を愛でる。
そして目に入った光景は、
「俺たちが休んでたところに入ってきたんはそっちやろ?」
「ち、ちが。私は近道しようと思って」
「おいおい、ちょっと遊んでいくくらいええやんか」
いかつい見た目をした男性二人に絡まれている早乙女さんの姿だった。
どうして彼女が大阪に?という疑問が頭に浮かぶが、その前に彼女が男性二人に腕を掴まれて怯えている表情が目に入った。
「(とにかく今は早乙女さんを助けることを考えないと)」
直ぐ助けが呼べるようにスマホを手に持つと足音を立てないように静かに三人に近付く。
そして、
「彼女の手を放しなさい! 警察を呼びますよ!」
「あ? なんだ?」
男性二人の視線がこちらに向き、一瞬怯みそうになったが表情を変えず強い口調で告げる。
「もう一度言います、彼女の手を放しなさい!」
「はぁ、姉ちゃん誰。つーかこの子と関係ある?」
「私は……その子の保護者です」
「保護者ぁ?」
家族というには見た目が違いすぎるため思わず口から出てきた保護者という言葉だが、自分で言っておいて説得力がないのは確かだ。
男たちが私の発言に意味深に笑みを浮かべたのを見て、嫌な予感が頭を過った。
「そんなバレバレな嘘付かんくてええのに。そやったら姉ちゃんも一緒に遊ぶか?」
「けどこの姉ちゃん、ちょっと地味じゃね?」
「いやいや、こういうタイプが実際はっていうのがええんやろ」
私を追い詰めるようにしてにじり寄って来る二人組の間から早乙女さんの表情が青ざめているのが目に入った。
何か突破口はないの、と思っていると背後から小さくパトカーのサイレンの音が微かに耳に届いた。
まだ私は警察に連絡していない。それなのにどうして。
いや、ここはこれを利用するしかない。
「聞こえる? もうとっくに警察を呼んでるの。もう少しでここに来るわ」
「はあ? そんなはったりが俺たちに利くと思って」
「聞こえなかった? 警察がここに来るの。その子から、手を放しなさい!」
「っ……」