はじめてのカレカノ
「信じられない話かもしれないけど、あの時助けてくれた人も、工事現場の人も、高槻先輩だったの!」
『えぇーーーーーっ!!』
そりゃ全員驚くよね。私だって驚いたもん。
「結月、どういうこと?!それ本当の話なの?結月の妄想の話なら聞きたくないんですけど」
未菜が信じられない、という風に手を顔の前でブンブン振ってる。
「それが、本当みたいで。当事者にしか分からないことを高槻先輩が話してくれて」
「それが本当の話なら、結月と高槻先輩ってそんなに前に出会ってたってこと?」
「うん、そうみたい。私は全然気付かなくてさ。でも高槻先輩は私の事認識してくれてたみたいなの。私、ずっと好きだと思っていた人が目の前にいても気付かなかったなんて、酷いよね」