はじめてのカレカノ

そこへ白井くんが私のキャリーケースを拾って持ってきてくれた。

「立花さん、落とし物」

「あっ、白井くん。ありがとう」

白井くんは寝ころんだままの翔に向かってお辞儀をした。

「先輩、すみませんでした。立花さんには振られたので、俺のことは気にしないで下さい」

「白井くん・・・」

翔は無言で白井くんを睨んでいる。

「じゃ、帰ります。またね、ゆ・づ・き」

し、白井くーーん!最後に爆弾落として行かないでーーー

「んあ?ゆづき?」

そりゃ、翔が反応するよね。

名前呼びはダメって白井くんが言ったのに。

これから先も白井くんには振り回されそうな予感がするよ。

< 282 / 312 >

この作品をシェア

pagetop