はじめてのカレカノ

私は長野でちゃんと挨拶をできなかったことを謝りたかった。

「長野ではきちんとご挨拶できずにすみませんでした」

「そんなこと心配しなくても大丈夫よ。私もお父さんも結月さんだって、すぐに気が付いたのよ。とても可愛らしいお嬢さんだったから、翔にはもったいないと思っていたの」

「なんだよ、それ。どっちかって言うと結月の方が俺に惚れてるんだぞ」

な、な、何を言い出すの、翔!

でも否定できないよね。本当のことだもん。

「はい。私、翔さんが大好きです」

高槻家の三人が顔を見合わせてしばしの沈黙・・・。

『アハハハハッ!!!』

三人に大爆笑されて、

「結月さん、楽しい方ねー」

なんてお母さんに言われて。本当のこと言っただけなのにな。
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