平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
でも帰還してからは、話す時間も減っていた。王都での活躍を新聞で褒められている彼は、領主としても忙しく町に出てもいた。
遠い人、なのよね……。
少しの間、どうしてかそんなことを思って空を眺めていた。
動かなくなってしまったリズを見て、幼獣達が集まり出した。もふもふの短い前足を伸ばして、不思議そうにぽふぽふとする。
まるで励ましているみたいだ。
遅れて気付いたリズは、ハタと目を戻した。
「大丈夫よ。ちょっと休憩しているだけなの」
「んみゅ?」
幼獣の一頭が、小首を傾げながら手紙をちょいちょいとつつく。
「ううん、危ないものではないのよ。私のことを思って、書かれている素敵な手紙なの」
「みょ!」
分かったとでも言っているのだろうか。最近ますますしっかりし始めている二頭の幼獣が、短い右前足をピッと上げて鳴いた。
くんくん匂いまで嗅ぎ出していた幼獣たちが、速やかに手紙から離れる。
「ふふっ。私が『大切なもの』と言ったこと、分かったのね」
「みゅっ、みゅみゅん!」
近くにいた幼獣たちの数頭が、しゃがみ込むリズのスカートに前足をのせて、誇らしげに主張する。
か、か、可愛い……っ!
愛くるしい健気さが、リズの女性的な何かに突き刺さった。
「もうもうっ、あなたたち日々成長しているんだから!」