平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
先の不安を考えてしまったからだろう。潤んでしまっていた自分の目を、慌ててごしごしとこすった。

今は、最悪な未来を想像するべきじゃない。

リズは獣騎士団長の直属の部下として、覚悟を決めた目を下の風景へと戻す。

「私、頑張ります。団長様のためにも、みなさんのためにも。絶対に悪い未来なんて押しのけるように見付け出しますから」

コーマックやトナーたちは、気が引き締まった表情をしていた。その最後のリズの言葉に、彼らの雰囲気は団結を増す。

「リズさん、みんなで一緒に見付け出しましょう」

コーマックがそう言うと、トナーも相棒獣の首元を鼓舞するように撫でながら、片手で拳を掲げた。

「こうなったら最速で飛ばして、しらみ潰しでも探してやりましょう!」

「俺の相棒獣も、リズちゃんのおかげでやる気十分です!」

「団長、今すぐ単独捜索の許可をください!」

「みんなでやれば、一つの山だって短時間で全部確認できます!」

一気に騒がしくなった時、ジェドがハッと右手を上げた。

「待て!」

「へ?」

「どうしたんですか団、ちょ……」

トナーの声が、リズたちと一緒に彼の視線の先を追って途切れる。

山の木々が先程より騒いでいた。それは連なる山々の吹き抜けから発生しているのか、不自然に一つの山にだけ強く風が吹く。

まるで、そこには応えるような木々のざわめきがあった。

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