平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
全員が、つい固唾を呑んで見守ってしまっていた。

神聖な山々の息吹のごとく、それが一つの山を騒がせている。この葉が強く揺れて、一瞬、自然にはない僅かな色をリズの視覚が捉えた。

――ここだよ、と、教えられているみたいに目が惹かれた。

「いた! 団長様っ、あそこです!」

木々の茂った葉がどいた位置に見えたのは、灰色(アッシュ)の髪だ。リズは咄嗟に指を差して叫んだ。

身体の強張りが解けたみたいに、ジェドが同じくその場所を目に留め、弾かれるように動き出した。

「少年らしき者を発見した! ついて来い!」

「了解です団長!」

カルロが降下に入ってすぐ、コーマックが相棒獣を動かした。トナーたちも次々に声を上げて続く。

「団長たちに続け!」

「自然の偶然には救われたな」

「ああ、全くだぜ!」

「タイミングが良かったんだろうな。ニコラス殿下の時も、たまたま発覚して暗殺計画を阻止できたしな」

相棒獣にまたがった獣騎士たちが、ジェドを追って共に山へと突っ込む。

戦闘獣は素早く木々を避け、最後は地面に降り立った。

一番に着地したカルロが、直後、弾丸のように飛び出し疾走を開始した。はえている木々が猛スピードで迫り、それを俊敏に避けていく。

飛行時と違い、陸上での走行は激しく揺れた。

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