平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「事実、ここにいる白獣たちは、お前を〝拒絶〟してはいない」

ハッとシモンがコーマックたちの後ろを見回した。

そこにいるカルロも、エリーも。そしてトナーたちの相棒獣だって、先程からシモンの動き一つにも警戒反応をしていなかった。

彼らの特有の美しい紫色(バイオレット)の目は、落ち着いてシモンを見つめている。

「そんなの、嘘だよ……それは相棒騎士がいるからでしょ?」

山の獣は友達。

シモンが、人間相手だった時と違ってくしゃりとする。

「俺、この通りの、ろくでもない人間なんだ。昔だって必要とされなくて、無駄飯食いだって親に疎まれて、山で死ねって言われて捨てられたんだ」

必要もない人間。居場所だって、ない。

震えた小さな声が、これまでこらえていたような言葉を紡いだ。

それが、ずっとシモン少年を、まるで呪いのように人の世界から引き離し続けていた思い。

「シモン君……」

リズの涙腺が緩んだ時、シモンが頭を振って表情を戻した。

「だから、保護には応じられない。お姉さんと逃がしてくれれば、あいつの眠っている場所を教える」

「あっ」

手を掴まれて、驚くほど強い力で引き寄せられる。

十五歳でも、リズよりも力が強い男の子なのだ。どうしてかジェドと違って、その手を怖いと感じた。

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