平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
気付けば咄嗟に振り払っていた。彼は配慮してそんなに力を入れていなかったのか、あっさりと拘束は解ける。

「ごめんね、びっくりさせちゃった?」

距離を取って見つめ返すと、シモンが少し傷付いた表情で見つめてきた。リズの怯えを察して言葉を紡ぐ。

「大丈夫だよ。俺の安全が守られたら、ちゃんと解放してあげるから。だからお姉さん、こっちに来て」

言いながら、彼が手を差し出してきた。

どこか寂しげなシモンの様子に心が揺れた。でも、リズはその手を取ってあげられないとハッキリ悟った。

自分が行くことによって、ジェドたちを心配させたくない。

――リズはジェドに約束したのだ。

もう、どこかへ勝手に行ったりはしない、と。それは彼に心配をかけさせたくなかったから。

「ううん、違うわ」

気付いたらリズは、声に出していた。

「ごめんなさい。私は、何があろうと団長様のそばを離れないわ」

ここにジェドを残していく。そう想像した途端に答えは出た。彼の支えになりたいのだから、そばを離れてはいけない。

彼が行くなというのなら、リズはここで一緒に頑張るだけだ。

ジェドが、ゆるゆると目を見開く。

「リズ――」

その時だった。

突如、場の空気が変わってジェドが言葉を呑む。それを肌に感じたリズとコーマックたちも、ハッと周囲に目を走らせた。

一体なんだろう?

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