平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
亡霊が目を眇め、ほんの僅かに怒気を萎えさせた。

《初めて、我らの群れに飛び込んできたような、娘だった》

どこか遠い昔を見るような目で、不意にそう言ってきた。

娘……とリズは口の中で言葉を繰り返してしまった。気のせいでなければ、とても大切そうに呼んでいるように感じたから。

《獣の言葉を理解した、不思議な娘だった。我らは成長を見届けた。――だが、見初めた領主が彼女を諦めたのだ!》

突然、空気を震えさせる大きな声で亡霊が吠えた。

《領主! なぜ、最後まで彼女を守らなかった!》

亡霊の大きな足が、凶暴にも大地を打った。カルロの後ろで、他の相棒獣たちが警戒して身構える。

《命令あれば、我は動けた! どこまでも付いてゆけた! 共にあれば、我がきっと娘を守れた!》

亡霊が言葉を吐き出した。

それは、怒涛の感情の流れのようだった。気圧されるほどの強い怨みと、憎しみを感じてリズたちは息を呑む。

そんな場で、たった一頭だけ動じていないモノがいた。

《それは一部、語弊がある》

カルロが静かに答えた。

《諦めたのではなく話し合って決めたことだった――とは聞いた。その土地の民だけでなく、我らを守るために。そして寿命は、人には変えられない》

《お前は忘れたのか! ※※※※※!》

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