平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
次の瞬間、再び強風が顔を打った。
前髪がばさばさと煽られる。呼吸が苦しい。どうにか開けた目に、遥か下に広がる緑の山が見えた。
「リズさん!」
「リズちゃんっ!」
上から、悲鳴のような叫び声が聞こえた。
落下の恐怖に目が潤む。けれど、腕の中に取り返せたシモンの温もりに『良かった』と思っている自分もいた。
意識のない彼を、落ちても守ろうと思ってかき抱いた。
どうにもならない状況の中で、不意に西日が眩しく目に差した。ふっと顔を上げたリズは息を呑む。
自然の山々の光景が、まるで最後の光景みたいに美しく胸を貫いた。
故郷の土地を〝美しい〟と思った。
きっと、この向こうに、リズが幼い頃から見てきた山もあるのだろう。こんなにも高いとこまで来るなんて、以前の自分には考えられないことだ。
リズは不運な体質の、なんのとりえもない平凡な女の子だったから。
これこそまるで夢か魔法みたいだ。
《アティーシャ様!》
不意に、そんな必死な声が聞こえた。
リズは落下しながら振り返った。大きな身体を躍らせて、落下を速めがむしゃらに向かってくる亡霊の姿があった。
彼は深く傷付いているのだろう。
咄嗟に、リズを大切なその娘と勘違いするくらい。
前髪がばさばさと煽られる。呼吸が苦しい。どうにか開けた目に、遥か下に広がる緑の山が見えた。
「リズさん!」
「リズちゃんっ!」
上から、悲鳴のような叫び声が聞こえた。
落下の恐怖に目が潤む。けれど、腕の中に取り返せたシモンの温もりに『良かった』と思っている自分もいた。
意識のない彼を、落ちても守ろうと思ってかき抱いた。
どうにもならない状況の中で、不意に西日が眩しく目に差した。ふっと顔を上げたリズは息を呑む。
自然の山々の光景が、まるで最後の光景みたいに美しく胸を貫いた。
故郷の土地を〝美しい〟と思った。
きっと、この向こうに、リズが幼い頃から見てきた山もあるのだろう。こんなにも高いとこまで来るなんて、以前の自分には考えられないことだ。
リズは不運な体質の、なんのとりえもない平凡な女の子だったから。
これこそまるで夢か魔法みたいだ。
《アティーシャ様!》
不意に、そんな必死な声が聞こえた。
リズは落下しながら振り返った。大きな身体を躍らせて、落下を速めがむしゃらに向かってくる亡霊の姿があった。
彼は深く傷付いているのだろう。
咄嗟に、リズを大切なその娘と勘違いするくらい。