平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
「私もその子供の存在は気になっているのですが、ほとんどの者が獣に気を取られ、次の調査に繋がらないのが難点ですね」

頻繁に活動もしていないらしい。村内での数少ない目撃情報から、この村の者ではないことだけは分かっている。

「以前から、少なからず窃盗などもあったんですね」

話を聞いたリズが尋ねると、ベルベネット子爵がティーカップを置く。

「ええ。子供というのもこちらでは珍しいですから、同じ人物でしょう。たびたび起こっていたようです」

「子供ということもあって、被害届けが出ていなかった可能性もあるな」

ジェドが、テーブルの菓子をつまみつつ口を挟んだ。

食べるのに困った子供が、窃盗を働くことは都会ではままある。けれどこのへんだと、滅多なことでは聞かない話ではあった。

リズとしては、なんと言えばいいのか分からない。

すると気付いたコーマックが、菓子皿の一つを寄せながら言う。

「小さな土地内であるほど、目も行き届きますからね。親がない子を、周りのみんなで育てることだってあるでしょう」

「はい……でも、盗みをしなければ暮らせない子供なんてないんです」

言葉が、喉元でつっかえそうになった。

「たいていは不慮の事故や、病で親を亡くしたか。でも、それじゃあまるで捨てられたみたいな――」

「少し大きな町だと、珍しくない」

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