平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
その後に、ベルベネット子爵別邸へ知らせが向かわせられたようだ。

そうリズたちが理解していると、男が小さく頷いた。頭が痛くなったのか、顔を顰めて手をあてつつ言葉を続ける。

「でも、子供が来たのは〝そのあと〟だった」

「あと? 一緒に荷馬車を襲ったわけではないのか?」

「ああ、先に飛びこんできたのは恐ろしい獣の方だった。俺が倒れ込んで呻いていると、何やら叫びながら子供が山を駆け降りてきたんだ」

とすると、少年の指示ではなかったということだろうか?

リズは、コーマックと目を合わせた。ベルベネット子爵も、顎に手をやって興味深そうな顔で聞きに徹している。

ジェドが辛抱強く見据えていると、男が頭から手を離しながら言う。

「何か獣に言っていたが、うまくは聞きとなかった」

「その子供の特徴は言えるか?」

「よく見えたよ。獣の方は倒れた荷馬車で隠れていたが、十四歳から十五歳くらいの細い男の子だった。ざっくばらんの灰色の髪で、あんたみたいに綺麗な顔立ちをしていた」

その特徴を聞いて、リズはふと先日見掛けた少年のことが脳裏を過ぎった。

まさか、あの子? いや、でもそんな偶然あるはずが――。

「獣が出たぞっ!」

不意に悲鳴が上がって、リズの思案は霧散する。

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