平凡な私の獣騎士団もふもふライフ3
場が一気にざわついた。パッと目を向けた瞬間、森の上に現われた獣の姿が目に飛び込んできて、彼女は赤紫色(グレープガーネット)の瞳を見開いた。

それは朝焼けの空を背景に、禍々しい黒い霧のようなモノをまとっていた。

とても大きな身体をした獣だった。鎌のように出た爪、やや荒れた波打つ白い毛並み、呻る口元からは鋭利な歯を覗かせていた。

威嚇しきった姿からそう感じせられるのだろうか。

白獣に良く似たその獣は、耳の先まで毛を逆立て――まるで地獄から蘇ったような一頭の獣を思わせた。

そして、その背には一人の少年がまたがっていた。

それは先日に見掛けた少年で、リズは二重の驚きで声も出なかった。

「あっぶね~。何、あのおっかない獣は?」

騎獣している少年が、拍子抜けするほど緊張感のない声で「焦った」と呟くのが聞こえた。

その時、森からカルロたちが飛び出してきた。木々の上にジャンプして着地したのを見て、村人たちがますます驚いて「戦闘獣だ!」と騒ぐ。

けれど、リズはそちらまで気が回らなかった。

「そ、空を飛んでる……」

それは獣騎士がする〝白獣への騎獣〟だ。

答えが唐突に目の前に出てきたみたいに、理解が追い付かない。

リズがぽかんと眺めていると、少年があどけなさで下のカルロたちをまじまじと眺めた。

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