天才か、狂人か。     ~変 態 化学教師、野球部の監督にさせられる~


「・・・・・山口・・・山口!!!」


三塁側ベンチは・・誰一人としてまだ“敗北”を覚悟していない。


ここに来て・・
“もし外野への打球だったら”・・

一番【飛んでほしい】と願っていた所へボールが飛んでいったから・・!



「「「「・・・・・。」」」」」


みんなが見つめる先・・・
ボールがそのグラブへ納まった・・!


《アウト!》

<<<<Go!!!>>>>>


勝利を確信した一塁側ベンチが雄叫びを上げて、グルグルと腕を振る。


タッチアップでスタートした三塁ランナーがホームへ突っ込んでくる・・!




「!!!!!!!!!!!!!」




久慈くんと同じ様に、打撃は苦手だったから[8番]を打っていたけど、

立浪くんが不在の間・・・
ずっとライトのレギュラーを守ってきた。


みんなが信頼して任せてきたのは・・
3年生メンバーをも上回る・・

このチーム一番の【強肩】が、
武器だったから!!!



<<<<!!?>>>>>


愛工大 名錬も・・
もしその情報が入っていたら、

ここは無理せずタッチアップしなかったかもしれない。


これこそが・・ベンチに控えるみんなも一丸となって適材適所を発揮するのが・・

青愛学園の【全員野球】・・!!


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