シークレットベイビー 弥勒と菜摘
✴︎



弥勒は何でも自分で出来る。
一子をあやすのも上手い。

彼の腕の中はあたたかそうで、すっぽりおさまって安定して抱かれてる一子は、安心し切っている。

夜、帰宅して、ご飯を食べて、お風呂に入った後。

この人は、最近一子が寝ていてもわざわざ抱きあげて、ソファーに座ってる。

優しくて。
世界一安全な場所。

弥勒の愛情。

いいな、

(私も一子みたいに、されたい、なんて⋯⋯ )


菜摘の物欲しそうな目に気がついた弥勒が、


「あっ、菜摘もくる? 」


と何でもなく誘ってくれた。

左の片手と片足に一子を抱いて、右腕を広げてくれて、ここにおいでと。


「あ、どーも、お邪魔します⋯⋯ 」


って言って隣に座ったら、優しくあたたかく、しっかりした腕を背にまわされた。

安心して涙が出た。


「菜摘のこと話して」


って言われて、静かに今までの事を話す。
両親が亡くなった事、兄のこと、かなり貧乏だった事、心細かった事、ポツリポツリはなしたら、黙って聞いてくれてる。

こめかみに唇をよせられた。

彼によりかかった。


「寝ていいよ」


って言われたから、


「寝ないよ、勿体ないから⋯⋯ 」


って答えた。


それが日常になった。
私たちの関係、どう言ったら良いんだろう。
一番近くて、一番遠い。

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