シークレットベイビー 弥勒と菜摘
✴︎
「明日ホームパーティなんだ」
と弥勒が言った。
最初の日に行った弥勒の実家で、一番近しい親族と会うらしい。
「一子が3ヶ月たってないけど、実家だしちょっと顔出そうか? 」
と言ってから、
「マリアは海外で来ないよ」
と付け加えた。
✴︎
弥勒の実家に行ったら、あの見えていた庭でバーベキューだった。
全員、全く普通に、弥勒と菜摘と一子を迎えてくれた。
さすが、あの美人さんの家族⋯⋯ って思ったけど、平気で「こんにちわー」って、一子を抱いて言ってる菜摘も、さすがあの兄の家族なんだろうな、と思う。
弥勒のお兄さんも来ていた。
似てるような似ていないような。
弥勒を描いた線が細めの茶色なら、お兄さんはもっと太くて黒い線で描いたみたいな人だ。
お兄さんは一度離婚しているらしい。
最初の奥さんは神経質な人で、子供にもうるさく、弥勒も嫌われていたと言った。
そこに娘がいたが、元の奥さんが連れて出て行ってしまったらしい。
その後、今の奥さんと再婚。その人はサッパリしていて弥勒ともまぁまぁ気が合うらしい。小学生の男の子がいて、弥勒は可愛がっている。
男の子が弥勒に何か言って、弥勒はしゃがんで相手して、優しく笑いかけてる⋯⋯ 。
菜摘は一子を抱いたまま、窓の近くに座っているから、ずっとずっと、弥勒を目で追う。
キスして、3人で暮らしている、あの人と⋯⋯ 。
弥勒と仲のいい従兄弟が離婚した話を聞いた時、弥勒は驚いて「えっ」と言って言葉を失った。
手に持っていたバーベキューのトングをそのままに、しばらくぼんやりしている。
そんな弥勒は珍しい、なんか、見ていて慰めたいと思った、一子を抱いて、動けないまま、弥勒を抱きしめたいと思った。
バーベキューを焼いたり、甥の頭を撫でたりする弥勒をみていたら、なんか切なくなって、心がギュギュってなる。
一子を抱いて座っている菜摘にも、食べ物を持ってきてくれたり、ちゃんと家族の中にいれてくれる。
ひとしきり皆食べて、弥勒が簡単に後片付けして、菜摘の隣の椅子に座った。
ふぅとため息をついてから、一子の頭をホワホワと撫でた。
それから、まっすぐ庭の方を見る。
まだ日が落ちていないくて、ひろがる空は綺麗な夕方だ。
家族があちこちにくつろいでいる。
「ゴロゴロ親戚がいすぎてしかも離婚ばっかりだ。
嫌気がさして、結婚て何の意味があんの? って気分だった。
自分は結婚しないなって思ってた」
とまっすぐ前を向いたまま言った。
菜摘は弥勒の横顔を見ていた。
「離婚も嫌だから」
と弥勒はポツリと言ってから、
「絶対、菜摘と離婚しない」
と強い口調でいきなり言う。
その一瞬、菜摘は初めて知った
弥勒の熱さやキツさ。
信念や決意。
そして傷ついた気持ち。
一子を抱っこしながら、たしかに感じる3人のつながり。
この人を傷つけたくない、と思った。
幸せになって欲しいと思う。
なんでもやってあげたいと思う。
夕方の風が、弥勒の髪を撫でて、菜摘の頬やこめかみを撫で、一子の髪も揺らす。
3人で黙って座っていたら、お兄さんがきた。
お兄さんは来週、自分の小型のクルーザーで、家族と島に行くそうだ。
「一子さんがちょっと育ったら、君たちもおいで」
お兄さんも弥勒も船舶の免許を学生のころとっているので、運転できるそうだ。
また一つ、未来の約束が出来た。
実家から、家族だから3人で帰った。
「明日ホームパーティなんだ」
と弥勒が言った。
最初の日に行った弥勒の実家で、一番近しい親族と会うらしい。
「一子が3ヶ月たってないけど、実家だしちょっと顔出そうか? 」
と言ってから、
「マリアは海外で来ないよ」
と付け加えた。
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弥勒の実家に行ったら、あの見えていた庭でバーベキューだった。
全員、全く普通に、弥勒と菜摘と一子を迎えてくれた。
さすが、あの美人さんの家族⋯⋯ って思ったけど、平気で「こんにちわー」って、一子を抱いて言ってる菜摘も、さすがあの兄の家族なんだろうな、と思う。
弥勒のお兄さんも来ていた。
似てるような似ていないような。
弥勒を描いた線が細めの茶色なら、お兄さんはもっと太くて黒い線で描いたみたいな人だ。
お兄さんは一度離婚しているらしい。
最初の奥さんは神経質な人で、子供にもうるさく、弥勒も嫌われていたと言った。
そこに娘がいたが、元の奥さんが連れて出て行ってしまったらしい。
その後、今の奥さんと再婚。その人はサッパリしていて弥勒ともまぁまぁ気が合うらしい。小学生の男の子がいて、弥勒は可愛がっている。
男の子が弥勒に何か言って、弥勒はしゃがんで相手して、優しく笑いかけてる⋯⋯ 。
菜摘は一子を抱いたまま、窓の近くに座っているから、ずっとずっと、弥勒を目で追う。
キスして、3人で暮らしている、あの人と⋯⋯ 。
弥勒と仲のいい従兄弟が離婚した話を聞いた時、弥勒は驚いて「えっ」と言って言葉を失った。
手に持っていたバーベキューのトングをそのままに、しばらくぼんやりしている。
そんな弥勒は珍しい、なんか、見ていて慰めたいと思った、一子を抱いて、動けないまま、弥勒を抱きしめたいと思った。
バーベキューを焼いたり、甥の頭を撫でたりする弥勒をみていたら、なんか切なくなって、心がギュギュってなる。
一子を抱いて座っている菜摘にも、食べ物を持ってきてくれたり、ちゃんと家族の中にいれてくれる。
ひとしきり皆食べて、弥勒が簡単に後片付けして、菜摘の隣の椅子に座った。
ふぅとため息をついてから、一子の頭をホワホワと撫でた。
それから、まっすぐ庭の方を見る。
まだ日が落ちていないくて、ひろがる空は綺麗な夕方だ。
家族があちこちにくつろいでいる。
「ゴロゴロ親戚がいすぎてしかも離婚ばっかりだ。
嫌気がさして、結婚て何の意味があんの? って気分だった。
自分は結婚しないなって思ってた」
とまっすぐ前を向いたまま言った。
菜摘は弥勒の横顔を見ていた。
「離婚も嫌だから」
と弥勒はポツリと言ってから、
「絶対、菜摘と離婚しない」
と強い口調でいきなり言う。
その一瞬、菜摘は初めて知った
弥勒の熱さやキツさ。
信念や決意。
そして傷ついた気持ち。
一子を抱っこしながら、たしかに感じる3人のつながり。
この人を傷つけたくない、と思った。
幸せになって欲しいと思う。
なんでもやってあげたいと思う。
夕方の風が、弥勒の髪を撫でて、菜摘の頬やこめかみを撫で、一子の髪も揺らす。
3人で黙って座っていたら、お兄さんがきた。
お兄さんは来週、自分の小型のクルーザーで、家族と島に行くそうだ。
「一子さんがちょっと育ったら、君たちもおいで」
お兄さんも弥勒も船舶の免許を学生のころとっているので、運転できるそうだ。
また一つ、未来の約束が出来た。
実家から、家族だから3人で帰った。