シークレットベイビー 弥勒と菜摘
✴︎



弥勒がいない。
たった3日。
なのに、ものすごく心細い。


「行ってくるね」


と玄関の扉が閉まったとたん、もう、追いかけて弥勒を確かめたいぐらいだった。
その瞬間に弥勒に会いたくなった。

一子と2人きり、
広い広いマンションだ。

こんなところに、私、いていい人じゃないとか、嫌なことばっかり考えてしまう。

一子もなんとなく落ち着かない。
毎晩、弥勒に抱っこされて、そのぬくもりの中にいたからだと思う。
そういう菜摘も、落ち着かなくて寂しくて、弥勒のことばかり考えていた。

一人でソファーで一子を抱っこしながら、毎晩のキスのこと、それから、もうちょっと熱かった事を考えてしまう。

私たちこれでいいんだろうか。

あたたかく、家族みたいに、他人が暮らしている。
でもこの家族は、普通なら夫婦の2人の繋がりの盤石な基盤からはじまるものなのに、その根本がくっきり2つに離れたままで出来上がっている。

なのに、2人とも一子とは繋がりがあって。

それがなかったら、交わりもしなかった2人だ。

本当に彼と恋人で、本当に愛し合ってたら、どうなのかな⋯⋯ 。
あの続きは、どんなだろう⋯⋯ 。

この間笑って話した2人の子供。
思わず言った二子と三子。

⋯⋯ 弥勒に似た子。

『菜摘に似たら、素直でかわいいよ』だって。
でも、そんな話の前に、弥勒と菜摘は何にもないんだった⋯⋯ 。
あーあ。

そんな物思いにふけてて、3日後。


今日の夜、弥勒は帰ってくる。

たった3日。

でも長くて寂しくて、待ち遠しかった。

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