溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

誘導尋問にも聞こえる発言。

もしかして
借りてるのが私だって勘付いて言ってる?

「誰であっても美南には関係ないよ。
 言う必要はないはず」

「それって綺咲さんだって言ってるのと一緒だよね!やっぱりそうなのね!?」

興奮気味に声を張って問い詰める美南さん。
どうしても真相を然さんの口から言わせたいのがわかる。

もしそうなら
この人は、なんて答えるんだろ…

ドア越しで聞いてる私としても
彼が何を言うのか固唾(かたず)を飲んで聞いていた。

「俺はプロデューサーだ、美南。
 守秘義務を守る立場なんだから
 個人情報を公にするつもりはない」

私を守ってなのか
然さんは最後まで言わなかった。

けれど彼女も諦めない。

「然はどうしてあの人がいいの?
 この仕事の事だって何もわかってないオバサンじゃない」

お、おば…
30歳、それはさすがに傷つきます。

「美南が思ってる以上に
 由凪さんは優しくて良い人だよ」

フォローされてしまったけど
今は素直に有難い。

「だから俺は、彼女が好きだ」

「えッ…」

う、嘘…
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