溺愛プロデュース〜年下彼の誘惑〜

ボヤ騒ぎの中の私達の出来事は、火と共に鎮火。

翌日は何もなかったように
”普段通り”仕事をするだけ。

「だんだん良くなってきたねぇ
 その調子だよ、いいね」

もう何度も来るようになった撮影現場。
カメラにも慣れてきたからか
少しずつだけど肩の力が抜けて
ようやくディレクターからの合格が出た。

借りてるマンションで夜な夜な練習してきたのは
意外と報われたのかもしれない。

「じゃぁ休憩入りまーす」

撮影の合間
メイクや髪型を直してもらっていると。

「綺咲さん」

私の元にやってきた美南さん。

昨日の騒ぎから
1度も見かけなかったから少し緊張する…

「昨日は、ありがとう」

「え…」

頭を下げて素直にお礼を言う彼女に
少し驚いた。

「衣装…
 私の為に危ない目に遭ってまで守ってくれたんだって、聞いた」

どうしてその事を。って…
あ、そうか、然さんが話したんだ。

「まさか火の中に飛び込むとは思わなかった」

「あれは私も勢いというか…必死だったから…」

結局は然さんと水に助けられただけだったけど。
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