世界でいちばん 不本意な「好き」
今までだってそうだったじゃんってたくさんたくさん言い聞かせて、物分かりの良いふりをしたけど…本当は寧音とショーマが一緒にいるのを見かけるたびに、おもしろくないなって、別れちゃえばいいのにって、思ってたよ。
ショーマへの気持ちなんて一切なくなってるのに。べつの人と付き合ってるのに。ただ根に持ってるだけ。
はずかしくて、情けない。
期待なんてべつにしてなかったはずなのにって。
だけどここ最近はべつのことを思ってる。
なんでショーマはまだ寧音のこと好きなのに素直にならないんだろうって。
当たって砕けるくらいの気持ちでやってみろよって。
わたしのこと、振ったくせに。
「思ってたんだけど、アリスの私服っていーよな」
寮を出るとすでに外にふみとはいたから、とりあえずおはようを言うと、なぜか上から下まで視線を送られた。
それでもってこのひと言。急になんなの。
「安物だよ」
「へー、買い物上手だな」
何を言ってもほめて返してくるの、なんだかいやだ。
「ふみとは…うん。今日はちゃんと出てる面積少ないね」
「さすがにね。一緒にいるアリスにも迷惑かけられないし」
たしかに。久野史都と一緒にいるのが一般の女子高校生だなんて世間に知られたら大変な騒ぎになる。巻き込まれるのは勘弁だ。
そういうことはちゃんと考えてくれているらしい。だったらいつもそうしてほしいけど。