あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
どうしよう……。
「あの……ちょっと電話してきてもいいですか?」
「……ああ」
私は悠一さんに聞かれたくなくて、外にでて家に電話した。
祖母に柊一の様子を確認したかったからだ。
『もしもし、翼、どうした?』
「うん、柊ちゃんは? まだ寝てる?」
起きているのなら理由をつけて帰ろうと思った。だが……。
『起きてるけどね、だいじょうぶだよ。湯川のおばあちゃんが今遊びにきてて柊ちゃんを独り占めしてるよ。それより仕事はうまくできたかい?』
湯川のおばあちゃんは隣に住むおばあちゃんで、柊一のことを自分のひ孫のようにかわいがってくれる。
この島は高齢者が多いが、みんなで助け合って暮らしている。
湯川のおばあちゃんに限らず、みんなが柊一を可愛がってくれるので本当にありがたい。
「そうなんだ。仕事がもう少しかかりそうで……1時間以内には帰れるはずだから」
祖母は慌てなくていいと言ってくれた。
部屋に戻ると、悠一さんはパソコンを開いて仕事をしていた。
「お待たせしました。じゃあ、ご飯が炊けるまで」
『ほんとう? じゃあコーヒーでも飲まないか? 俺が入れるよ」
パソコンを閉じ立ち上がる悠一さんを制して、私がコーヒーを淹れた。
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