あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
時間が戻せるならもう一度あの日に戻りたい。
そしたら何がなんでも彼女を離さなかったのに……。
力なく立ち上がるとキッチンへ向かった。
ダイニングテーブルの上には彼女が用意してくれた食事が置かれていた。
どれも家庭的で、美味しそうだ。
だがあくまで家政婦として作ってくれたもの。
一緒に食べれたらなんて都合のいいことを考えていた自分が情けなくなる。
それでも彼女の手料理が食べられる。
それだけでも奇跡だと思わなければ。
「いただきます」
彼女の作った料理を一口食べる。
——美味い。
恐らく彼女の祖父母の畑で取れた野菜だろう。
旬の野菜を取り入れた料理はどれもおいしく、俺はペロリと平らげた。
と同時に、こんなに美味しい野菜がたくさんとれるのならホテルのレストランの食材も、島の野菜を使いたい。
鮮度はもちろんのこと、この島の活性に役立つ。
とにかくこの島をたくさんの人にもっと知ってもらいたい。
アニメ映画のおかげで多少知名度はあがったものの、観光に来る人間は、やはり食べ物も楽しみひとつだ。食を充実させることで、リピーターを増やしたい。
俺は、すぐさまパソコンを広げ、頭に浮かぶことをまとめる。
その時だった。
突然スマホが鳴った。
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