あの夜身ごもったら、赤ちゃんごと御曹司に溺愛されています
どうせ望んでいない結婚。正直式だってどうでもいい。
だが、そうはいかないことも重々わかっている。
『え〜一人でなんでつまんなすぎる』
スマホ越しから聞こえる声は本当につまらなそうだ。
だったら君の彼氏と行ったら? 
そんな言葉が頭をよぎるが、飲み込んだ。
「なんとかめどをつけて一旦そっちに帰れるようにするが、確約はできない」
彼女はため息まじりにわかったというと電話を切った。
俺は自分の境遇を心底恨んだ。
朝倉の家に生まれてこなければもっと翼の近くにいられるのに……。
だがその半面、朝倉の家に生まれたからこそこの島で再会できたという現実に皮肉に感じた。
< 73 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop