幼なじみの溺愛が、私を離してくれません
影野くんも私の方を見ながらそう言ってきて、結弦は首を傾げて微笑んだ。



「…だってよ?雫は行かない?りんご飴」



……もう、なんなのほんと。



「…行く、行きたい。みんなもありがとう」



私の周りって、優しい人しかいないの…?



なんだか泣きそうになって、ぎゅっと口を固く結ぶ。



「ふふっ、りんご飴美味しいよねっ!私も大好き!」



「別に、行きたいとこ行って食べたいもの食べればいいんだよ。霧山さんは気遣いすぎ」



「そーそー。雫はもうちょっとワガママになった方がいいと思う」



3人の笑顔やら呆れた顔が瞳に映る度、視界がゆらゆらと揺れた気がした。



……今年の夏は、きっと今までで一番楽しくなる。



「…うん。ありがとう」



そんなふうに確信して、私なりに精一杯の笑顔を返した。
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