テスター
テスターはさっきと同じようにあたしのまぶたをつまむと、切り取り始めたのだ。


さっきより軽快に、手際よく。


ジャキンッジャキンッと音がする度に痛みが脳天へと駆け抜けていく。


何度も意識を飛ばしそうになりながら、あたしのまぶたは完全に切り取られた。


「見てみて! 本当に素敵でしょう!?」


まぶたを付け替えたテスターはいびつな顔で振り向いた。


無理やり縫い付けているため縫い目は乱雑で、血で真っ赤に染まっている。


お世辞にも素敵だとは言えないできばえだ。


それでもテスターはこれで自分が美しくなったと思い込んでいる。


あたしは下唇をかみ締めて痛みに耐えた。


早くこの地獄から開放してほしい。


ほしい部位をあげたのだから、早く拘束を解いて!!


その願いは届かず、テスターはあたしを放置して智恵理の前に立った。


智恵理は真っ青でさっきからガタガタと震えている。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」


何にむかって謝っているのか、そんな意味のない言葉を繰り返す智恵理。


いつか3人で遊園地のお化け屋敷に入ったときもそうだった。


謝罪することで恐怖から逃れることができると、咄嗟に考えてしまうみたいだ。
< 34 / 150 >

この作品をシェア

pagetop