テスター
だけど恐怖は終わらない。


遊園地でも、今も、それは同じことだった。


テスターはあたしのときと同じように智恵理の顔をまじまじと見つめ始めた。


智恵理は必死に顔を背けている。


「あなたの目、とても綺麗ね」


テスターの声に智恵理の謝罪が止まった。


静かになる倉庫内に、あたしたち3人の荒い呼吸だけが聞こえている。


「ハーフなんでしょう? いいわね、恵まれていて」


テスターは一旦袋の中に手を入れ、そしてスプーンを取り出した。


「いや……やめて……」


智恵理が全身を震わせて左右に首をふる。


なにか臭うと思えば、失禁していた。


「私もそんな目になりたいわ」


「やめて! 目は……目は嫌!」


ブンブンと更に激しく首をふる智恵理。
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