死なないあたしの恋物語
洋人君が鋭い視線を2人へ向ける。


2人がどうじにたじろぐのがわかった。


目を見交わせて、言い訳を考えるように互いに目配せを繰り返している。


「どうしてそんなことをするんだ?」


更に質問を重ねられて、2人は後ずさる。


「そ、それは……」


「それは、なんだよ?」


洋人君の言葉に美鈴さんは泣きそうになってしまった。


言えるわけがない。


洋人君のことが好きだから、あたしの存在が気になって尾行したなんてこと。


「もういいじゃん。2人とも、偶然あたしに似た人を見たんじゃないかな?」


見ていられなくて、あたしは口をはさんでいた。


真夏と綾が驚いた顔をこちらへ向ける。


「ちょっと千奈。どうしてかばうの?」


真夏に言われてあたしは苦笑をもらした。


「だって、2人とも悪気があったわけじゃないと思うし。ね?」


美鈴さんと雅子さんへ視線を向けると、2人は同時にうなづいた。


本当はあたしを陥れるためにやったんだとしても、それは見なかったことにする。


これ以降、何事もなく過ごすことができればあたしはそれで良かった。
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