死なないあたしの恋物語
引越しではないとわかり、洋介君が安堵して言う。


『ううん。そうじゃないの』


あたしの声は震えていた。


これからあたしは洋介君に残酷な現実を突きつけないといけない。


洋介君はきっと傷つくだろう。


嘘つきだといわれるかもしれない。


いや、それ以前に信用してくれないかもしれない。


それでもここまで好きになった人だから、このまま記憶を消して終わりにはしたくなかった。


もしかしたら、信じてくれるかもしれないし。
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