【完】嘘から始まる初恋ウェディング

なよなよして気弱なくせに、言いたい事ははっきりと言う気の強さもどこかにある。

ああ、苛々する。 夜更けに男の部屋に無防備な格好でやって来て、自分の好意をぶつけるだけぶつけて

お前にそれを受け入れる覚悟があるのか? 

いい加減ムカつくんだよ。

今までは守られてきたかもしれない。 でも世の中にはお前を守ってくれる男ばかりじゃないんだ。

「そんなの、勘違いですよ。 それにルナさん、親しくしてる男性はいないって言ってた癖に阿久津さんとはやけに親し気ではなかったですか。
デートをするのも僕が初めてだとか言っておきながら、彼は昔からの幼馴染なのでしょう?
嘘をつくルナさんの好きなんて言葉、信用できませんね」

苛ついていたんだ。
だから少し意地悪をしたくなった。

いいじゃないか。 阿久津フーズファクトリーの御曹司となんかそれこそお似合いだ。

気に食わん男ではあったが、優しそうで顔もかっこよくって育ちも良い、それこそルナが望んでいた王子様そのものではないか。

俺は王子様という柄ではない。 

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