【完】嘘から始まる初恋ウェディング
「…ッ」
そして俺の肩に自分の両手をぎゅっと絡めて、力いっぱい抱きしめる。
今までにどんなに女を抱いても感じた事のなかった感情が芽生えた。 抱きしめた手の指先さえ震えているのに、ふっとそれを離して再び微笑む。
「白鳥さんの…好きにしていいです…」
「…はぁ?」
「私は確かに世間知らずのお嬢様かもしれないけれど…あなたに触れられるのがこんなに嬉しいの…。
幻想なんかじゃない…
私はきっと…どんな白鳥さんでも好きだから…だから大丈夫よ…。
だから…続きをして……」
涙でぼろぼろな顔をして、体中震えてるくせに何を言っている。
動揺していたのは、こっちの方だった。 本気で抱くつもりはなかった。 荒々しくして、彼女の中の幻想をぶち壊せるならば最低だと言われても仕方がないと思っていた。
それでもなおも、ルナは俺を好きだと言う。 本当は怖くて仕方がないくせに、俺を受け入れようとした。
馬鹿らしい。 こいつは本物の馬鹿かもしれない。どうしてそこまで純粋に、健気に俺なんかを好きだと言えるんだ。
ゆっくりとベッドから起き上がり、脱がせた衣類をルナの方へ投げ捨てる。