【完】嘘から始まる初恋ウェディング
伏せた瞬間このままじゃあ、駄目だと思った。 父には結婚はしたくないとはっきりと伝えたが、ほっくんには伝えていなかった。
ほっくん…結構乗り気だった。 それに…阿久津フーズファクトリーのおじ様とおば様にも幼い頃からお世話になっている。 このまま逃げ続ける事は出来ない。どちらにせよ、はっきりさせなくては。
「もしもし、ほっくん?」
「あ、ルナ。今大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ。」
「この間は突然お邪魔をしてしまって、バタバタしちゃったからさ。
ルナも結婚の話を突然されて混乱しちゃったと思うし…」
「あ、ああ…ええ…そうね…」
「改めて、ルナとは二人できちんと話さないとって思ってたんだ。 もし良かったら今日夜ご飯でも一緒にしない?」
「私もほっくんには話があるから丁度良いわ…」
「そっか!じゃあ、レストラン予約しておくよ。 何時に迎えに行ったらいい?」
時刻は、午後一時過ぎ。
この時の私は少し行動的になりすぎていたのかもしれない。
机の上に置いてあった名刺ケースを開くと、そこにはいつか貰った白鳥さんと親しそうにしていた実悠さんの美容室の名刺。
彼女が、彼とどんな関係だったのか、結局は訊けずじまいだった。